形式主語にだまされない(スラッシュリーディング練習問題)

今回の鉄則

「it = それ」ではない

「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!

課題文8

It was felt in a vague way by his intimates that he had met with unusual experiences which had profoundly affected him and changed the course of his life. (Green Mansions by W. H. Hudson)

スラッシュリーディング練習問題

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英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。

It was felt in a vague way/(前置詞の前)by his intimates/(接続詞の前)that he had met with unusual experiences/(関係代名詞の前)which had profoundly affected him/(接続詞の前)and changed the course of his life.

スラッシュを入れる箇所は、こちらのページを参考にしてください。

語句のかたまりを前から訳していきます。

It was felt in a vague way
●は漠然とした形で感じられた(It は形式主語です。●の部分には that 以下の語句が入ります。形式主語については「速読の鉄則」参照↓)
by his intimates
彼の親友たちによって
that he had met with unusual experiences
彼が珍しい経験をしたこと(that〜が意味上の主語になっています。「速読の鉄則」参照↓)
which had profoundly affected him
彼に大きな影響を与えた(which は関係代名詞です。上の行の unusual experiences に which〜 が後ろから説明を加えています)
and changed the course of his life.
そして、彼の人生の道筋を変えた

課題文の和訳

彼に大きな影響を与え、その人生の道筋を変えた珍しい経験を彼がしたことは、彼の親友たちによって漠然と感じとられていた。

速読の鉄則 「it = それ」ではない

文の最初に it(It) が置かれている場合、後ろに to不定詞〜that〜 があるときは「it = それ」ではなく、「it = 形式主語」である可能性が高いです。it が形式主語のとき、真主語(意味上の主語)は to不定詞〜that〜 です。真主語を it に「代入」して訳します。

例文:
1) It was easy to convince her.

↓ It に to convince her を代入

to convince her)was easy.→ 彼女を納得させることは簡単だった。

2) It is a pity that he can’t come.

↓ It に that he can’t come を代入

that he can’t come)is a pity.→ 彼が来られないのは残念だ。

今回の課題文の最初にも形式主語があります。

It was felt in a vague way by his intimates that he had met with unusual experiences 〜

It was felt と that 〜 の間に in a vague way by his intimates が挟まっていますが、that 〜が真主語です。

「前から読み」では、文頭の It をとりあえず「それ」と訳しておき、真主語に気づいたら、訂正して読み進めればいいと思います。

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