アルファベット2字に潜む意味(スラッシュリーディング練習問題、形式目的語)

今回の鉄則

it の中身は後ろを探す

「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!

課題文11

He had no patience with the books that absorbed Mackintosh’s leisure and thought it only a pose that he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy. (The Trembling of a Leaf by W. Somerset Maugham)
注:Gibbon’s Decline and Fall = ギボンの『ローマ帝国衰亡史』、Burton’s Anatomy of Melancholy = バートンの『憂鬱の解剖』

スラッシュリーディング練習問題

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英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。

He had no patience with the books/(関係代名詞の前)that absorbed Mackintosh’s leisure/(接続詞の前)and thought it only a pose/(接続詞の前)that he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy.

スラッシュを入れる箇所は、こちらのページを参考にしてください。

語句のかたまりを前から訳していきます。

He had no patience with the books
彼はその本に我慢ならなかった
that absorbed Mackintosh’s leisure
マッキントッシュの余暇を食いつぶす(that は関係代名詞で、that〜 は後ろから the books に説明を加えています)
and thought it only a pose
そして、●は単なるポーズにすぎないと考えていた(it の用法は「速読の鉄則」参照↓)
that he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy.
彼がギボンの『ローマ帝国衰亡史』やバートンの『憂鬱の解剖』を読むことは

課題文の和訳

彼はマッキントッシュが余暇を過ごすのにあてている本に我慢ならなかった。そして、彼がギボンの『ローマ帝国衰亡史』やバートンの『憂鬱の解剖』を読むことは、単なるポーズにすぎないと考えていた。

速読の鉄則 it の中身は後ろを探す

動詞の後ろに it がある場合、「それ」と訳しても意味が通じないときは形式目的語です。意味上の目的語(真目的語)は、後ろにある to不定詞〜that〜 なので注意しましょう。真目的語を it に代入して意味を考えます。

例文:
1) He thought it better to keep quiet about the matter.

↓ itto keep quiet about the matter を代入

He thought(to keep quiet about the matter)better.→ そのことは黙っているほうがいいと彼は思った。

2) I must make it clear that I am disappointed in him.

↓ itthat I am disappointed in him を代入

I must make(that I am disappointed in him)clear→ 彼に失望していることを私は明らかにしなければならない。

今回の課題文に出てきた形式目的語は――

(he)thought it only a pose that he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy

↓ itthat he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy を代入

(he)thought(that he read Gibbon’s Decline and Fall or Burton’s Anatomy of Melancholy)only a pose→ 彼がギボンの『ローマ帝国衰亡史』やバートンの『憂鬱の解剖』を読むことは単なるポーズにすぎないと、(彼は)考えていた


動詞の目的語の it や文の最初にある it(It)が「それ」と訳せないときは、意味上の主語を後ろから探しましょう。

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