「前置詞+関係代名詞」は代入法で読む 第2回

「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!
It belonged to a Chinese to whom the fact that his skipper had no certificate meant only that he could be had for lower wages, and to have a white man in charge was always an advantage.(The Trembling of a Leaf by W. Somerset Maugham)
注:It = 船
スラッシュリーディング練習問題
音声はありません。文字のみです。学習しやすいように、YouTubeの設定で再生速度を調節してください。
英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。
It belonged to a Chinese/(前置詞の前)to whom the fact that his skipper had no certificate/(長い主部の後)meant only that he could be had for lower wages,/(接続詞の前)and to have a white man in charge/(長い主部の後)was always an advantage.
語句のかたまりを前から訳していきます。
It belonged to a Chinese
船は、ある中国人のものだった
to whom the fact that his skipper had no certificate
その人物にとって、彼の船長が無免許だったという事実は(to whom は前置詞+関係代名詞です。that は「同格のthat」です。どちらも、詳しくは「速読の鉄則」参照↓)
meant only that he could be had for lower wages,
船長を低賃金で雇えるということだけを意味した(can be had = 入手可能だ)
and to have a white man in charge
そして、白人を責任者に据えることは
was always an advantage.
いつでも好都合だった
船は、ある中国人のものだった。彼にとって船長が無免許だという事実は、船長を低賃金で雇えるということだけを意味した。それに、白人を責任者に据えることは、いつだって好都合だった。
今回の課題文は前半部の意味がとりにくくなっています。
It belonged to a Chinese to whom the fact that his skipper had no certificate meant only that he could be had for lower wages, 〜
意味がとりにくい理由はまず、前置詞+関係代名詞があること。もう1つは meant を動詞とする主部が長いことです。
- 前置詞+関係代名詞
関係代名詞は前にある先行詞の代わりを務めているので、関係代名詞の部分に先行詞を「代入」すると意味が分かりやすくなります。
It belonged to a Chinese to whom〜
↓ whom に a Chinese を代入します。
It belonged to a Chinese to[a Chinese]〜
↓
船は、ある中国人のものだった。その中国人にとって〜
- 長い主部
to whom が「その中国人にとって」という意味になることは確認できましたが、では「その中国人にとって」何がどうだ、という部分がまたややこしくなっています。
to whom the fact that his skipper had no certificate meant only that he could be had for lower wages
to whom の後に the fact that〜 という語句が続いていますが、この that が「同格のthat」だと気づけないと意味がとれなくなります。「同格のthat」に続く語句は直前の名詞とイコールの関係にあります。
the fact = that his skipper had no certificate
↓
その事実 = 彼の船長は無免許だった
↓
彼の船長は無免許だったという事実
to whom the fact that his skipper had no certificate までを整理すると、「その中国人にとって、彼の船長は無免許だったという事実」となります。この後でようやく動詞 meant が登場します。「彼の船長は無免許だったという事実」が meant を動詞とする主部です。
to whom the fact that his skipper had no certificate meant〜
↓
その中国人にとって、彼の船長は無免許だったという事実は〜を意味した
ここまでくれば、meant の後の語句は普通に訳せます。
〜 meant only that he could be had for lower wages
can be had は「入手可能だ」という意味ですが、主語が船長なので「雇える」という意味になります。