主語と動詞はどこにある?(スラッシュリーディング練習問題、形式主語)

今回の鉄則

対になっている語に着目

「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!

課題文 20

It was bad enough to have forced on him the acquaintance of the one man on the island he would rather have avoided, but worse to discern that he was being made a fool of.(The Trembling of a Leaf by W. Somerset Maugham)

スラッシュリーディング練習問題

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英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。

It was bad enough/(不定詞の前)to have forced on him the acquaintance/(前置詞の前)of the one man on the island he would rather have avoided,/(接続詞の前)but worse to discern/(接続詞の前)that he was being made a fool of.

スラッシュを入れる箇所は、こちらのページを参考にしてください。

語句のかたまりを前から訳していきます。

It was bad enough
〜だけで十分に不快だった(It は形式主語です。意味上の主語は下の行の to〜 です)
to have forced on him the acquaintance
彼に●と知り合いになるよう強いられたこと(●は次の行に記されています。この不定詞が意味上の主語です。to force〜 なら「強いられる」ですが、to have forced〜(完了不定詞)なので「強いられた」になります)
of the one man on the island he would rather have avoided,
彼がむしろ会うのを避けたかった島で唯一の男と(he の前に関係代名詞が省略されています。he〜 が後ろから説明を加えているのは the one manです。would rather have〜 = 「むしろ〜したかった」)
but worse to discern
しかし、気づくのはより不愉快なことだった(worse の前に it was を補って訳します)
that he was being made a fool of.
彼が馬鹿にされていることに

課題文の和訳

彼がむしろ会うのを避けたかった島で唯一の男と知り合いになるよう強いられただけで十分に不快だったが、彼が馬鹿にされていることに気づくのはより不愉快なことだった。

速読の鉄則 関係代名詞 what = 「こと」「もの」

今回の課題文では、but worse to discern that he was being made a fool of が少し訳しにくくなっています。worseと結びついた主語と動詞はどこにあるのでしょうか。

ヒントになるのは、文の最初の方にある bad です。bad の比較級が worse なので、関係がありそうですね。この文章には、最初に It was bad enough(十分に不快)だと書いてありますが、ここと対になるように worse が置かれています。

It was bad enough to have forced on him the acquaintance of the one man on the island he would rather have avoided, but worse to discern that he was being made a fool of.

「〜でも十分に不快なのに、〜とはより不快なことだ」という文の構造になっているわけです。英語にすると、こうなります。

It was bad enough to〜, but it was worse to〜

課題文では、worse の前の it was が省略されているのです。it は両方とも形式主語で、to〜 が意味上の主語です。


対になっている単語や語句が出てきたら、意味理解のヒントになるかもしれません。

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