同格の that は内容説明
「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!
He left the place with a singular feeling that the man he had just interviewed had much to tell him, but no intention of telling it.(The Trembling of a Leaf by W. Somerset Maugham)
スラッシュリーディング練習問題
音声はありません。文字のみです。学習しやすいように、YouTubeの設定で再生速度を調節してください。
英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。
He left the place/(前置詞の前)with a singular feeling/(接続詞の前)that the man he had just interviewed/(長い主部の後)had much to tell him,/(コンマの後)but no intention of telling it.
語句のかたまりを前から訳していきます。
He left the place
彼はその場所を後にした
with a singular feeling
奇妙な感触をもちながら(with = 〜をもって)
that the man he had just interviewed
彼がいま話をした男は(the man と he の間に関係代名詞が省略されています。he had just interviewed が the man を後ろから説明しています。that の用法については「速読の鉄則」参照↓)
had much to tell him,
自分に告げるべきことがたくさんある(had の主部は上の行の the man he had just interviewed です)
but no intention of telling it.
しかし、それを話す気がまったくない
いま話をした男は彼に告げるべきことがたくさんあるのに、それを話す気がまったくないという奇妙な感触をもちながら、彼はその場所を後にした。
名詞の後に that があると、関係代名詞だと思いがちですが、実は同格の that の場合があります。
同格の that の例文:There’s no evidence that the dog is alive.→ その犬が生きているという証拠はない。
この例文のように、前の名詞(evidence)の「内容」を説明するのが同格の that の働きです。「〜という」という言葉で名詞につなげることができます。
課題文では、こんな表現になっています。
a singular feeling that the man he had just interviewed had much to tell him, but no intention of telling it
a singular feeling ← that the man he had just interviewed had much to tell him, but no intention of telling it
that 以下の少し長い語句が a singular feeling の内容になっています。that 以下の語句が a singular feeling(奇妙な感触)を詳しく説明しているわけです。