名詞に彩りを加えるコトバ(スラッシュリーディング練習問題、関係代名詞)

今回の鉄則

関係代名詞は説明上手

「前から読み」で英文をすらすら読みましょう!

課題文12

With opportunities to make money he was a poorer man than when he was first appointed to his post, and his only support for his old age was the pension which he expected when at last he retired from official life. (The Trembling of a Leaf by W. Somerset Maugham)

スラッシュリーディング練習問題

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英文を前から読んでいくために、語句のかたまりを作ります。こんな具合に課題文をスラッシュ(斜め線)で区切ります(スラッシュリーディング)。

With opportunities to make money/(主語が文頭にないときの主語の前)he was a poorer man/(前置詞の前)than when he was first appointed to his post,/(接続詞の前)and his only support for his old age was the pension/(関係代名詞の前)which he expected/(接続詞の前)when at last he retired from official life.

スラッシュを入れる箇所は、こちらのページを参考にしてください。

語句のかたまりを前から訳していきます。

With opportunities to make money
金を儲ける機会があったにもかかわらず(with = にもかかわらず)
he was a poorer man
彼はより貧しかった
than when he was first appointed to his post,
初めてその職に就いたときより
and his only support for his old age was the pension
そして、彼の老後の支えは年金だけだった
which he expected
彼が得られる予定の(which は関係代名詞です。詳しくは「速読の鉄則」参照↓)
when at last he retired from official life.
最終的に彼が公職から引退したとき

課題文の和訳

彼は金を儲ける機会があったにもかかわらず、初めてその職に就いたときより貧しかった。彼の老後の支えは、最終的に彼が公職から引退したときに得られる予定の年金だけだった。

速読の鉄則 関係代名詞は説明上手

関係代名詞(who、which、thatなど)は、人や物などに説明を加えるための記号のようなものです。多くの場合、説明を加えられているのは関係詞の直前にある名詞(先行詞)です。

英文の意味を前からとっていく場合、関係代名詞が出てきたら、前にある人や物の説明が書かれているわけです。今回の英文では、which 以下の語句が説明を加えているのは the pension です。

the pension ← which he expected when at last he retired from official life

[おまけの説明] 関係代名詞の制限用法と非制限用法

関係代名詞の前にコンマがない場合は制限用法コンマがついている場合は非制限用法です。

制限用法は関係代名詞の前にある先行詞を後ろから説明する形で、限定用法とも言います。一方、非制限用法は先行詞の補足説明という性格が強く、前から後ろへと「そして、●は〜」などと訳します(別名、継続用法)。

例文をあげます。

■制限用法(コンマなし)
She has four sons who are married.→ 彼女には、結婚している息子が4人いる。(この場合、まだ結婚していない独身の息子がいるかもしれません)

■非制限用法(コンマあり)
She has four sons, who are married.→ 彼女には息子が4人いて、彼らは結婚している。(この場合、息子は4人だけです。その4人が結婚しているという情報を関係代名詞以下の語句が付け足しているわけです)


「前から読み」を行っているときに関係代名詞が出てきたら、前の名詞の説明が書いてあると思いながら読み進めてください。

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